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2016年09月26日

多目的アリーナについて

平時は、スポーツ・芸能・音楽・村内イベント等に使用され、災害時には防災拠点となる多目的アリーナ。
平成28年3月議会で、アリーナ関連予算は7対6の僅差で議会承認を得ました。


北中城村は2010年7月に米軍専用施設(アワセゴルフ場跡地)が返還され、ハイスピードで現在まで跡地利用を進めてきました。これは北谷ハンビー地区、那覇の新都心などと比べると、数倍早い速度です。

米軍専用施設跡地に関しては、国の調査が終わり、さあ引き渡しとなっても、その後の使い方がとても大切です。返還を実現したはいいが、どう活用していこうかというところが悩みどころであっただろうと思います。過去の案には、大学院大学を誘致する、そのままゴルフ場として使うなどがありましたが、結果として北中城村では、「新しいまちづくり」をしようという事になりました。


まとまった土地に線を引き、「ここは、宅地ゾーン。ここは、商業地ゾーン、ここはスポーツゾーン」などと大きなゾーニングを行いました。
区画整理の手法としては、主に3つが考えられます。
1つは、事業者主導(デベロッパーなどが土地を購入などし、開発後、分譲や建売などする)、2つめは、行政主導(役場などが主となり、事業を行う)、3つめに、組合主導(地権者が主となり、組合を作り協議しながら土地の活用方法を決める)があります。
では、アワセゴルフ場跡地の場合はどうしたかというと、組合主導の区画整理となりました。組合主導は地権者の意向が大切にされますが、地権者は200〜300人存在し、皆様の意見が一致しないと事業は行えません。また、開発には多額に資金が必要ですし、補助金を出す国とのやり取りが大切となります。その課題を乗り越えないといけませんでした。

新垣クニオ北中城村長は、総合事務局から、人事交流でまちづくりの専門職員を確保し、アワセゴルフ場跡地開発に必要な、国、地権者、開発業者との調整にあてました。地権者との話し合いの中で、そのまま土地を使いたい人(自分で家を建てたいなど)、貸したい人(イオンモールなどが借りてます)、売りたい人(公共スポーツ施設:防災拠点となる多目的アリーナ等)分けるために、バラバラだった土地を一つのものとして集約し、それから希望する場所へ地権者を振り分けました。この話し合いの中では、小さな面積や端っこの土地の人も皆同じように土地を出し合い、同じ条件で一括して開発する事に同意されました。一部でも同意されなければ、開発は進まないからです。
また、イオンモールが進出する条件として、眺望の確保がありました。沖縄一見晴らしが良い眺望を保つには、高層マンションなどは南東側、公共施設は東側の土地というように決め、売りたい人を集めました。北中城村は東側の土地を購入(国の補助金75%)し、村民体育館の建設と、災害時には防災拠点となる多目的アリーナ建設についての計画が始まりました。



建物、土地含めて36億円が必要です。これは、防衛省の補助金が75%あり、残り25%の9億円村が用意する額です。その内、約2億〜3億円を2年間で払い、あとは起債という方法で、20年間で支払っていきます。


借金をします。起債というのが、一般家庭では銀行から借り入れするのと同じ感覚です。20年かけて、7億円の支払いを行います。年約3000万円の返済です。

実質公債費率という数字があります。これは、市町村の借金です。どの自治体も、手持ちのお金だけで事業は行えません。家庭に置き換えると、住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなどの総額を所得に占める割合と考えると、実質公債費率がわかりやすいと思います。数値が高いとたくさん借金をしている状況という事です。財政破綻した北海道夕張市の最大時の実質公債費率は約40%だったそうです。
北中城村は約4%〜6%です。東海岸MICE関連市町村では中城村は10%、西原町は9%、与那原町は8%です。
北中城村は、アワセゴルフ場跡地開発、多目的アリーナ建設、村民体育館、北中城中学校の建設等を含めても、最大約9%です。将来、中央公民館や給食センターなどの公共施設の建設が予測されますが、同時に過去の借金が終わっていくので、この数字をほぼ維持していきます。

今後は、役場庁舎建設は国からの補助金はないので、PFI(民間の資金や技術等を活用した方法)方式等が有効だと考えています。例えば、民間にホテルなどの建物を建ててもらい、そこに役場が入るなどが考えられます。全国的に増えてきている手法です。


地方自治体の財政をみる時に用いられる指標に、実質公債費率というものがあります。

実質公債費率とは、地方自治体の収入に対する、負債返済の割合です。家庭に置き換えると、世帯収入に対するあらゆるローンを合わせた割合です。

家庭では、生活を豊かに、安心・安全に、子どもの教育や、住宅や車のローンなど、将来のために様々な理由でローンを組みます。家庭と同じように、地方自治体もお金を借り入れしながら、事業を行います。

現在と将来にわたる北中城村の実質公債費率状況図
現在と将来にわたる北中城村の実質公債費率状況図

中央下の黒字6・4%は平成25年度値。

左下の青字4・6%は平成28年実績値。

右下の赤字9・7%は多目的アリーナ・村民体育館建設、アワセゴルフ場跡地開発完成、中学校改築後の平成32年予測値。

※ 
実質公債費率は、新しく事業を行えば増えます。同時に、過去の返済も終了していきます。


北中城村多目的アリーナ建設後、どのようにしてこの施設を運営していくかが大切です。この施設は、アワセ跡地開発「まちづくり」の一環で建設が計画された公共施設です。可能な限り、維持管理を低減させる取り組みが必要です。

これまで北中城村は、あやかりの杜という図書館機能を持った生涯学習施設を「指定管理」と呼ばれる、当時の沖縄では初めての手法をとりました。最近では、公共施設の管理を指定した民間団体に管理させることは、ごく一般的になりました。しかし、当時は「図書館の管理を民間委託とは何事だ」と議会でも反対があったようです。あやかりの杜を村が管理すると年間の管理費が1億4千万円、民間に指定管理を委託すると5千万円となり、大幅に管理費の低減ができました。当時としては、画期的な取り組みであったと思います。

しかし、一般的な指定管理は、「5千万円」の管理費であれば、5千100万円にならないように努力しますが、4千万円にしようという思考は働きません。
5千万円は管理団体が使えるお金だからです。

今回の多目的アリーナの管理は、SPC(special purpose company:特別目的会社)と呼ばれ、指定管理制度にもう1クッションを入れるイメージとなります。
北中城村が建物を準備し、事業共同体と呼ばれるアワセ跡地開発の関係団体が加わり、資金集めなどを行います。SPCから管理を委託された運営会社が、企画・運営を行い、その収益をSPCへ還流させるというイメージです。

北中城村は建物を提供し、管理費は主に民間が用意する事になるため、指定管理よりも村の費用を低減させていこうという考えです。
ちなみに、他のアリーナ施設では、収益の一部は、当該地方自治体へ入る仕組みを取っている自治体もあります。
北中城村多目的アリーナ事業全体スキーム(案)


多目的アリーナは、米軍専用施設アワセゴルフ場跡地の開発の一環として、防衛省から75%の補助を受けております。当初、アリーナ建設に補助はないという事でした。しかし、この場所は米軍専用施設として、長年にわたり使用されてきた経緯があり、その跡地開発であるという理油で、新垣クニオ村長が国との交渉のにおいて、基地所在市町村が一度だけ使える特別補助金を獲得してきました。

北中城村において、防衛省補助金が主な財源として建設された施設は、村立中央公民館、あやかりの杜(図書館機能付)、ゴミ処理施設青葉苑などがあります。防衛省の補助金を受けるには、防衛省も補助金を出す理由が必要です。ゴミ処理施設青葉苑の場合は、「米軍のゴミを一部受け入れる」との条件がありました。そのため、ゴミ搬入予定量の一部を米軍用として空けておりましたが、これまで13年間一度も受け入れた事はありません。

多目的アリーナ建設補助金を受ける場合は、「米軍とのスポーツ交流」などを計画に明記する必要があります。


沖縄県で開催される屋内コンサートの多くが、1500人〜4000人であるそうです。
日本でドームツアーや数万人収容の施設を借りてライブコンサートを行うアーティストは片手で足りる程度と言われております。
当初は、琉球キングスのホームスタジアムの可能性もありましたが、1万人以上の客席数があるホームスタジアムがないとプロリーグとして認めてもらえないようです。キングスのホームゲームの割合は、ホームスタジアムが8割、残り2割を県内の他の施設で行う予定です。


アリーナ建設を行う際に、アリーナ建設検討委員会という組織を立ち上げ、どういった内容の施設にするのかを話し合う検討会が昨年7月から12月の間に行われました。私も議会の代表としてメンバーに入りましたが、委員には、建築家、デザインのプロ、脊髄損傷者、県内イベント会社、沖縄県体育協会、沖縄県バスケットボール協会、イオンモール、中部徳洲会病院など幅広い視点で、多目的に使えるように検討していきました。

具体的には、床の仕様から、客席の手すりの材質、空調、トイレの数、車椅子の付き添い者も同じスペースで観戦できるかなど様々な視点が入っております。多目的アリーナは文字通り、様々な使い方ができる施設です。スポーツ、音楽、芸能、地域行事など、様々なシーンに対応できるよう、床は取り外しできるパネル式を採用しました。

北中城村では、長年にわたり村文化協会から舞台発表を行える文化会館や文化ホールが欲しいと要望がありました。最近では、村内小中学校の吹奏楽部の活動が活発です。沖縄県代表になるなど実績も積み上げております。また、北中城村は今年の1月に県立芸術大学との連携協定を結びました。

多目的アリーナにおいて、北中城村の子ども達と、県立芸術大学、村文化協会とのコラボレーションコンサートを行うなど夢のある企画の実現に取り組んで行きたいと思いますが、文化会館や文化ホールを建設しても同様に維持費がかかります。あらゆる事に対応できる施設が望ましいという事で、「多目的」となりました。

最近では、姉妹町村の葛巻町がイオンモールにて物産展を行い、大変な好評をいただきましたが、北中城村の商品を中心とした物産展や、予てから私が提案している「北中城café1グランプリ」もここで是非とも開催したいな。。なんて考えています。

アリーナでのプロスポーツイベントや全国大会などは、数十万円単位の料金が通常です。
当然、村内のイベントや村内保育園等の運動会なども想定しており、料金は村民が使いやすい価格(減免措置))での対応を考えています。


救援が来るまでの72時間をどう生き延びるか。そして、その後に続く数ヶ月もの避難所生活をどうするのかが大きな課題であります。
被災地の多くは、震災直後には電気、水道がとまり、食料もない場所がほとんどだったそうです。川が近くにあれば、そこから水を汲みトイレを流し、飲む水は湧き水があれば、それを使ったなどの記録があります。


防災拠点となる多目的アリーナは、電気は沖縄電力が、LNG(液化天然ガス)施設をアリーナと体育館敷地の側に建設しました。
電線が倒れ、停電してもこの電力を使用する事ができ、最低3日間まかなう準備ができています。
災害時の食料提供はイオンモールライカム、医療提供を中部徳洲会病院、避難所はアリーナ、隣の村民体育館は医療班の待機所としても使えます。また、隣接する民間スポーツ施設のプールの水利用や、その他に、周辺歩道は、下水道に直接仮設トイレを取り付け事ができるように整備し、災害時に使える貯水槽も整備する計画です。これが防災拠点となる多目的アリーナを中心とする防災機能の概要です。


「災害時は高台の公民館や学校施設に逃げればよい」「高台の防災拠点より、一時避難所を東側へ作るべき」という意見があります。
災害直後は多くの公民館や学校施設も電気・水道が止まっている可能性がとても高いです。また、多くの人がご存知のように、津波が押し寄せれば東側の施設は、使えないと考えるのが自然です。高台の公民館などでも、医療、食料、水も十分ではないでしょう。道も分断され、行政が各地区を援護する公助は、これまでの事例で相当困難だとされています。また、公民館や学校施設は、近隣の住民が先に避難している事だと予測されます。

災害時の一時避難所を東側に作るとはどういう意図で、どのような機能を有するものなのかはわかりませんが、高台の公民館で避難する人を少しでも受け入れていただく体制作りは必要だと思います。その分、防災拠点での一人ひとりの避難スペースを広く確保する事ができるからです。

災害復旧後、避難所生活が始まると、一番しんどい思いをするのが、子ども達です。
学校が避難所とされると、遊べない、学べない、我慢するのが当たり前となります。
陸前高田市の中学校体育館は、1000人以上の人が身を寄せ合い生活している状況であったそうです。
防災拠点を持たない市町村であれば、このような状況にならざるを得ない事でしょう。しかし、この状態を避ける事ができる方法があるのならば、私たちはよく考える必要があると思います。

北中城村は、東側低地に4000人の人々が生活しております。


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Posted by 新垣クニオ後援会 at 10:34│Comments(0)お知らせ
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